角界の歴史に、その名は金字塔として刻まれています。昭和の大横綱・大鵬 幸喜(納谷 幸喜)。優勝32回という、かつて誰も到達しえなかった大記録を打ち立てた、まさに伝説の力士です。
そしてもう一人、土俵上で激しい闘志をむき出しにし、「土俵の荒法師」とも呼ばれた元関脇・貴闘力 忠茂(鎌苅 忠茂)。
この二つの偉大な、しかし対照的ともいえる血を受け継ぎ、土俵に上がる若者がいます。その名は、夢道鵬 幸成(むどうほう こうせい)、本名・納谷 幸成(なや こうせい)。大鵬関を祖父に、貴闘力関を父に持つ彼は、生まれながらにして角界の宿命を背負っていると言っても過言ではありません。
「大鵬の孫」「貴闘力の息子」という重すぎる看板。そのプレッシャーの中で、彼は何を思い、土俵に上がっているのでしょうか。
今回は、これまであまり語られてこなかった彼の「母」の存在、そして、彼を取り巻く華麗なる「家族構成」に迫ります。

偉大な祖父、個性的な父、そして同じ道を歩む兄弟たち…その中で夢道鵬関が紡ぐ物語は、きっと私たちの心を強く打つはずです。
(この記事でわかること)
- 夢道鵬関の父、貴闘力関について
- 貴闘力関が夢道鵬関に与える影響
- 夢道鵬関の母、大鵬関の娘について
- 納谷家の兄弟構成(王鵬関など)
- 兄・王鵬関との関係性
- 夢道鵬関のこれまでの成績と現在地 (2025年4月時点)
- 祖父・大鵬関から受け継ぐもの
夢道鵬のwiki風プロフィール


四股名:夢道鵬 幸成(むどうほう こうせい)
本名:大嶽 幸成(おおたけ こうせい)
生年月日:2001年11月5日
年齢:23歳(2025年4月現在)
身長:186.0cm
体重:143.1kg
出身地:東京都江東区
学歴:中央区立有馬小学校→さいたま市立大宮西中学校→埼玉栄高校
所属部屋:大嶽部屋
初土俵:令和2年(2020年)3月場所
最高位:幕下六枚目(2023年9月場所)
得意技:押し
愛称:むどやん
夢道鵬の母は?
謎多き存在? 夢道鵬関の「母」、大鵬の娘にして4兄弟の母
さて、今回のテーマの中心でもある夢道鵬関の「母」についてです。彼女について公に語られることは多くありませんが、その存在は納谷家にとって、そして夢道鵬関にとって、計り知れないほど大きいと言えます。
想像してみてください。偉大な父(大鵬関)、個性あふれる夫(貴闘力関)、そしてプロスポーツの世界に飛び込んでいく息子たち…。その中心で、彼女はどのような想いで家族を見守り、支えてきたのでしょうか。多くを語らずとも、その存在は納谷家の精神的な支柱であり、息子たちが困難に立ち向かうための「安全基地」のような役割を果たしてきたのかもしれません。
表舞台に出ることは少なくとも、彼女こそが、大鵬関と貴闘力関、そして納谷4兄弟という稀代の相撲一家を繋ぐ、重要な絆であると言えるでしょう。その静かな強さが、夢道鵬関の粘り強い相撲にも表れているのかもしれません。
夢道鵬の父は?
夢道鵬 父:土俵の荒法師・貴闘力という存在


相手に真っ向からぶつかり、もろ差しからの一気の出足、土俵際での驚異的な粘りは、多くの相撲ファンを魅了しました。優勝経験もあり、三役として長く活躍した実力者です。
父が現役だった頃の記憶は、夢道鵬関には朧気かもしれませんが、その激しい闘いぶりは映像などで目にしていることでしょう。父が土俵で見せた「闘魂」は、良くも悪くも、息子である夢道鵬関の相撲人生に影響を与えないはずがありません。父から受け継いだ勝負根性、それは彼の武器の一つとなっているはずです。
夢道鵬 貴闘力:父から受け継ぐ「闘魂」と「重圧」


祖父・大鵬関が「柔」の横綱相撲の象徴なら、父・貴闘力関は「剛」の激しい相撲の代名詞。その両方の血を受け継いでいるという事実は、彼の相撲の可能性を示すと同時に、計り知れないプレッシャーも与えていることでしょう。
父・貴闘力関は、角界引退後、様々な経験をされています。そうした父の人生もまた、息子である夢道鵬関は間近で見てきたはずです。父の栄光も、そして苦悩も知るからこそ、土俵にかける想いもまた、人一倍強いのかもしれません。父と同じ「闘」の字は使わずとも、その魂は確実に受け継がれているはずです。
夢道鵬 兄弟:四者四様の道を歩む「納谷4兄弟」
長男:納谷 幸男(なや ゆきお)さん 長身を生かし、プロレスラーとして活躍中です。祖父や父、兄弟とは違うリングで、自らの道を切り拓いています。
次男:納谷 幸林(なや たかもり)大嶽部屋に所属。現在(2025年4月)、序ノ口や序二段で奮闘中。
三男:王鵬 幸之介(おうほう こうのすけ)関 本名は納谷 幸之介。大嶽部屋に所属し、兄として弟たちの手本となるべく奮闘。既に関脇まで昇進し、将来の横綱候補として大きな期待を集めています。
四男:夢道鵬 幸成(むどうほう こうせい)
夢道鵬 :背中を追う兄、関脇・王鵬関の存在
王鵬関が祖父・大鵬の四股名の一部「鵬」を継いだように、夢道鵬関もまた「鵬」の字を四股名に入れています。これは、兄弟揃って偉大な祖父への敬意と、その名を汚さないという決意の表れでしょう。
兄の背中を追いかけ、いつかは肩を並べ、そして超えていきたい。そんな熱い想いが、夢道鵬関の原動力の一つとなっていることは間違いありません。
夢道鵬 成績:偉大な血脈との戦い、現在地と未来 (2025年4月時点)


2025年4月現在、夢道鵬関は十両で奮闘。時に力強い相撲を見せるものの、まだ番付上位の壁に阻まれる場面もあるかもしれません。
しかし、着実に地力をつけ、祖父や父から受け継いだ素質を開花させようと、日々厳しい稽古に励んでいます。
彼の成績は、まだ兄・王鵬関には及びません。しかし、焦る必要はないはずです。
偉大な血脈というプレッシャーを力に変え、一歩一歩、自分の相撲道を築き上げていくことが重要です。夢道鵬という四股名に込められた「夢」を、これから土俵の上でどう表現していくのか、非常に楽しみな存在です。
開催場所 | 番付 | 成績 | 備考 |
---|---|---|---|
令和7年3月(2025年) | 西幕下三枚目 | 4勝3敗 | 十両昇進を狙える位置 |
令和7年1月(2025年) | 東幕下四十四枚目 | 7勝0敗 | 幕下優勝 |
令和6年11月(2024年) | 西幕下二十四枚目 | 2勝5敗 | |
令和6年9月(2024年) | 西幕下四十二枚目 | 5勝2敗 | |
令和6年7月(2024年) | 西幕下二十四枚目 | 2勝5敗 | |
令和6年5月(2024年) | 東幕下十七枚目 | 3勝4敗 |
- 2025年1月の7戦全勝は見事で、幕下優勝を果たしています。
- その結果、翌3月場所では西幕下三枚目まで一気に番付を上げました。
- 十両昇進圏に入ってきており、次場所以降の成績が注目されます。
祖父・大鵬から受け継ぐもの:「鵬」の誇り


大鵬関は、ただ強いだけでなく、品格ある横綱としても尊敬を集めました。「巨人、大鵬、卵焼き」という流行語が生まれたほど、国民的なスターでした。その偉大な祖父の名を背負うことは、覚悟のいることです。
夢道鵬関の相撲には、父譲りの闘志と共に、祖父・大鵬関を彷彿とさせるような、スケールの大きな相撲への憧れも感じられます。彼が土俵で大きく羽ばたく日は、きっと来るはずです。
まとめ:夢見る道の先に
夢道鵬 幸成。彼は、昭和の大横綱・大鵬関と、平成の土俵を沸かせた元関脇・貴闘力関という、二つの偉大な血を受け継ぐサラブレッドです。そして、その血を繋いだ母の深い愛情、プロレスラーの長兄、関脇として活躍する次兄・王鵬関、同じ道を歩む弟という、類まれなる家族の中で育ちました。
「大鵬の孫」「貴闘力の息子」「王鵬の弟」…数々の看板が彼の両肩に重くのしかかります。しかし、彼はその重圧から逃げることなく、自らの「夢」の道、「夢道鵬」としての道を歩もうとしています。
今はまだ、その道の途中かもしれません。しかし、彼が土俵で見せる一番一番には、家族への想い、祖父への敬意、そして自らの相撲を確立しようとする強い意志が込められています。
私たちは、この若き才能が、偉大な血脈のプレッシャーを力に変え、大きく羽ばたいていく姿を、これからも熱い視線で見守っていきたいと感じます。彼の夢見る道の先には、きっと輝かしい未来が待っていることでしょう。